28年目の真実

「そんなに勉強好きだったっけ?」

 

先日そう言われました。

 

まさかそんなことはないかと思いましたが、結局勉強は好きではないという結論に至りました。

 

確かに、勉強が好きではない。

 

今まで勉強が楽しいと思ったことはあまり記憶にないです。

 

小学校の時も成績はいたって普通で、宿題はするがゲーム好きな少年でした。

 

 

それが中学に入りおかしくなりました。

 

最初のテストで他の人よりそこそこいい点数をとったことで、周囲の自分を見る目が変わったからです。

 

当時はいい点数が取れる=「頭がいい」という価値観が学校内で支配的でしたから「頭がいい」人間だと見られたし、自分でもそう思っていました。

 

その後高校は地元の進学校、大学は旧帝大に入学しました。

 

いつからか勉強好きのように振舞わなければ、かっこ悪いという奇妙な考えが私の中で生まれていました。それはおそらくうわべの問題だと思います。

 

大学で勉強していなかった自分を、中身が空っぽで馬鹿なやつだと思われないよう、どうにか知的に見せたいと思っていたからです。

 

つまるところ私は何もないけどプライドだけは高い人間でした。

 

これは世の中に存在する、非常に厄介な人間のタイプ一つだと私は思います。

 

だから社会人になっても、一応本を読む、仕事に関わる勉強を単発的に行い薄っぺらいプライドの維持に努めていました。

 

 

しかし、冒頭の「そんなに勉強好きだったけ?」という質問を投げかけられたことで、そのプライドはどこかに飛んでいきました。

 

本来は勉強好きな人間ではないことを思い出したからです。

 

そうとわかるととても気分が楽になりました。

 

以前は今日はこれだけ勉強しようと思って一日を始めたとしてもほとんど実行できなかった時は落ち込みました。自分はもっとできるはずだと。

 

しかし、今は勉強嫌いが前提になっているため少しでも実行できただけで「よくやったな」と思えるようになりました。

 

これがいいか悪いかはわかりません。

 

ただ以前よりも生きやすくなったような気がします。