美術史とはサッカーと同じである。

芸術

最近政府からの10万円給付のお知らせがが来たMaruyama da Gunma です。

最近何か考えが浮かぶと何かしら別のことでうまいこと例えられないかなと考えています。

というのも、大学時代のある友人と会うと、いつも彼の考えをサッカーで例えて説明をしてくれていてなるほどなと思うことが多々あるからです。

自分も何かに例えて書いてみたいなと思っていました。

そこで、今回は最近の美術史での気づきをサッカーに例えて書いてみたいと思います。

 

ここ数日の気づきは    美術に優劣はないということ   です。

それぞれの時代で、社会状況は異なりその中で芸術に要求されることまた芸術家が課題としたことも全く異なるからです。

なぜそれに気づいたのか。

それまで自分は写実性のみを評価の軸として鑑賞してしまっていたということに気づかされたからです。

そのため、ロマネスクの美術は形がデフォルメされていて下手だなと、逆にルネサンスの絵画はリアルだなと考え、ルネサンスの画家の方がうまいじゃんと決めつけていました。

確かにどれだけ実世界に似せて描くことができるのか、ルネサンスから印象派まで追及されてきていて、そういった評価の基準が全くなかったというわけでもありません。

しかし、それ以外の時代は別の評価軸がありました。

例えばピカソの絵画を思い出してみてください。

よく分けのわからない絵画の代表格で挙げられるピカソの絵は、人物が描いてあるように見えるけれども、目のついている位置がおかしかったりして、「いやー似てますね」などとお世辞にも言えません。

しかし、そういった作品も美術館の中で大切に保管されてますし、美術史の本を開けばピカソの図版が出てこないことはありません。

ピカソの時代、芸術は写実性という点では評価されていなかった、つまり全く異なる評価基準があるということです。

いわれれば、当たり前だと思いますがそこに気づいていない人が多いのではないかと思います。(人が人生の優劣を比較してしまいがちなように)

 

では、次にサッカーとどこが同じなのか。

サッカーではどうしても点を取る人、フォワードに目がいきがちです。

だから、サッカーでは点を取った人が評価されるように感じてしまいます。

バロンドールは一昨年こそモドリッチでしたが、それまではクリスティアーノ・ロナウドやメッシが受賞していたことからもわかると思います。

けれども、サッカーには他に様々なポジションがあります。

ゴールキーパーやディフェンダーは得点力というフォワードと同じ基準で評価していいものでしょうか。

当然、キーパーであればシュートをどれだけ止めるのか後ろからのディフェンスに対するコーチング、フィードの技術など明らかにその他のポジションとは異なる評価基準があります。

ゴールキーパーであるノイアーは得点を量産する選手ではありませんが、素晴らしい選手として評価されています。

サッカーではそれぞれのポジションによって、求められる役割・必要とされる技術が異なります。 それは、ちょうど美術史でも同じでルネサンス期に芸術家に求められたこと、ロマネスク期の芸術家が求められたことが違っていたということと似ているのではないでしょうか。

最後に注意点を一つ。

唯一絶対の評価基準は存在しないことです。

フォワードも得点力が絶対的な評価基準ではないですし、今は評価されているゴシック美術ももともとは「ゴシック」という言葉自体は蔑称でした。これは、ルネサンスや古代ギリシャの美術に比べてゴシック美術がダメな美術という評価がルネサンス期になされてしまったためです。

この前のワールドカップではフランスが優勝しましたが、スタメンで出ていたジルーは1点も取っていません。

でも監督から使われ続けていたということは別の面で評価されていたといって間違いないでしょう。

前線で体を張ってボールを収めてくれてためを作ってくれたおかげで、他の選手が上がるための時間を作ったりと見えないところでいろいろ仕事をしていたのだと思います。

だから得点力という評価基準だけで見てしまうとその選手を正当に評価できません。サッカーも美術も様々な物差しを当ててみることで、その人や時代の新たな面や意外なところが見えてくると思います。

特にこの選手何がすごいのかやこの芸術家はこうして評価されているが、本当にそうかなと思った時は新たな発見をする絶好の機会です。それを深堀していくことで、自分だけの意見というものが形成されていくと思うからです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

もっといいたとえがあるという方やサッカーを使うのであればもっといい方法があるという方はここに書いていただけるとありがたいです。

ぜひとも参考にさせていただきたいです。

それではみなさん Ciao Ciao!