西洋美術 ギリシャの芸術 中世の芸術など様々な時代の様式に「芸術」がついています。
普段何気なく芸術という言葉を使っておりますが、この言葉が西洋において生まれたのはいつかご存知でしょうか?
実はこの言葉は近代にできた言葉です。
ここで一つの疑問が生まれてきます。
この「芸術」と言う言葉が生まれる前の今我々が「ギリシャの芸術」でなかったら何になるのか。ということです。
この芸術という言葉が厄介なのは特に日本語の場合ですが、美術館と結びつくため芸術作品が美術館に収めるために作成されたものと錯覚してしまう点です。
ギリシャ人は自分たちは「芸術」だと思ってパルテノン神殿を作っていたわけではないですし、中世の人々も「芸術」としてステンドグラスや教会を作っていたわけではないです。
彼らは美術館のためにつくっていなかったのであれば、何のためにそれらを作成していたのでしょうか?
そこにはおそらく何か目的があったに違いありません。
その目的には生活に根差した切実な願いが込められていると思います。
(絵画が誕生したのは、離れ離れになってしまう恋人が、相手の影の輪郭をなぞったことによるものと言われるくらいですからね!)
なぜか。
パルテノンはアテネの守護神アテナを祀った神殿です。つまり宗教的な施設であります。
ゴシック様式の教会は神の世界に少しでも近づくための祈りの場です。
自分も以前は古代の大理石の彫像や中世の写本、ステンドグラスなどについて芸術としてとらえて、何か学問の対象として扱わないといけないとか高尚なものとして扱わないと考えていました。
しかしながら、芸術という言葉が近代にできたと知った時に、それらが何かしらの目的をもって作られていたと思うようになりました。
だから自分としては、各時代に共通の問題意識・目的が存在しそれを解決・達成するために神殿やステンドグラスが作成されたと思います。
これから不定期で、各時代にあった芸術の目指したもの(目的)を自分なりに考え、彼らがどのようにそれらを達成しようとしたのか考えていきたいと思います。
ご期待ください