ヴェネツィア アパートでのルームシェアについて

ヴェネツィア留学

私は4年前の大学生の時に、ヴェネツィアに約一年間留学していました。

留学中、最初の3か月間は寮に住み、そのあとはイタリア人とルームシェアをしていました。

前回まで、ヴェネツィアでの家探しについて書いたので、今回はヴェネツィアのアパートでの生活について書いていきたいと思います。

 

ルームシェアはほぼ初めてでした。

寮では二人部屋でしたが、今回は5人での共同生活。

最初にそこに住んでいたのは、

・ヴェネツィア大学の日本語学科の院生(自分と同じ部屋)
・ヴェネツィア建築大学へのペルーからの女性の留学生
・パン屋で働く男性
・ヴェネツィア大学で美術史を学ぶヴィチェンツァ出身の女性の学生

学生同士でシェアしていたところが多かった中、自分の住んでいたところは、働いている人も多かった印象があります。

仲がいい人同士で住んでいたり、新しい住人を探す際に「学生限定」としているところもあるからかもしれません。

その後も自分が住んでいる間に入れ代わり立ち代わり別の方が入ってきました。

・事務として働いている女性
・ヴェネツィア大学で観光について学んでいてスペイン留学の経験もある女性の学生
・ヴェネツィアの高級ホテルで働く男性
・バールで働く入れ墨結構多めの男性

今思うとバラエティー豊かでした。

日本ではずっと一人暮らしだったので、家族以外の人が常にいるのは何とも不思議な感覚でした。

けれども、日常生活で現地の学生と話す機会が多かった中、働いている方と交流をもてることはすごくよかったなと思います。

 

ある時、入れ墨多めのルームメートが働くバールの近くを通ると、彼が自分に気づいてくれました。

「コーヒー 1杯おごるよ」と声をかけてくれたので飲んでいったりなんてこともありました。
(人は見かけによりませんね)

 

またある時は、ヴェネツィアの高級ホテルで働く方に、ホテルの敷地内を案内してもらったこともありました。

そこは島全体がホテルの敷地になっていて、その島へ行くにも専用の船がありました。
テニスコートがあったり、一軒家タイプの宿泊施設があったり、プール付きのレストランがあったり(海外の映画でよく見るやつ。実際にあるのかと思いました)と泊まらないと見ることができない場所をいろいろ見せてくれました。

ホテル専用の船内

ホテルの敷地内

ホテルの敷地内

寮に住んでいたらなかなかこういった機会もあまりなかったと思います。ルームシェアをしてことで思わぬ経験につながったのは引っ越してよかったことの一つに挙げることできます。

 

人の輪が広がったほかにもう一つ大きかったことは「自炊」です。

自炊が可能になったことでよかった点は

食費の節約 と 食を通じた交流

イタリアは野菜が日本に比べて安い。
大体が量り売りで売られていましたが、例えばジャガイモも1キロで1ユーロと何セントか(1ユーロ=約117円 2020年4月21現在)。

日本円にするとなんと150円くらいです。

お肉や魚は日本と同じくらいか少し高いかなと感じましたが、野菜に関してはとても安かったです。

 

あと「自炊」ができるようになってもう一つ大きかったのは、料理を作ってルームメイトとシェアできるようになったことです。

カレー、かつ丼、シチュー、お粉も焼き、白玉、メロンパンなどいろいろ作りました。
(その中でも意外や意外。メロンパンの受けがだいぶ良かったです。)

これは「どんな食材を使っているのか」、「なんていう名前なのか」などといろいろ聞いてもらえたので、そこでイタリア語の会話が自然に始まったので非常に良かったです。

「今日日本食作るから一緒に食べよう!友達も呼ぶから!」などといってパーティーを何回か開いたりもしました。

そうすると逆にルームメイトもいろいろ料理を作ってくれたり、友人を呼んでパーティーを開く時に混ぜてもらう機会も何回かありました。

ちなみにルームメイトはこんなものを作ってくれました。
(料理好きなこともあって、すごく手が込んでいました。普段は冷凍食品や具の極端に少ないパスタなど結構貧相なものを食べてはいましたが… イタリアは美食の国というイメージがあったので日頃からすごくいいものを食べているイメージがありましたが、イタリアでも学生の食スタイルは日本人の学生とあまり変わらないんだなと感じました。)

鶏肉のローストとベイクドポテト

豚肉のパイ包みオーブン焼き

 

 

ただもちろんルームシェアをしているといいとこばかりではありません。

人間が何人か集まるとなにかしら起こるものです。

自分が引っ越してきてから1か月後。

新しくヴェネツィアで事務として働いている女性の方が引っ越してきました。

背が高く、眼鏡をかけていてしっかりしてそうだなというのが第一印象でした。

それから一週間後同じ部屋に住んでいる日本語学科の友人と食後にお茶を飲んでいると

いきなり、「マリア(仮名)と付き合い始めたんだよね」と一言。

いきなりのカミングアウト。

そこでなれそめを聞くことに。

ある時ご飯を食べた後に一緒にお茶を飲んで話している時に、彼女が手をこすり合わせて寒そうにしていたそうです。

そこで、彼がマリアの手を取って温めてあげたそうです。

そこからいい感じになり付き合うことに。

はやすぎやしないか!

しかしよく考えると、その前にも彼がマリアが引っ越してくる際のいろいろな手助けをしていたり、ご飯のあといつも二人で話していたりしていたので、伏線はすでにあって1週間で付き合うことになったと思います。
(それにしてもイタリア男はそういうことをさらりとしてしまうのがすごい。自分には到底まねできない芸当だなと。)

 

今はこんな風に少し楽しくかけていますが、その時はもう信じられなくその二人に対してイライラが募っていきました。

彼らがキッチンに二人でいる時は行きずらい雰囲気があったし、自分が勉強している時に後ろでいちゃついているのも我慢ができませんでした。
(別の人がいるのにそれをはばからず、すごいなと感じたりもしましたが…)

何故こちらが気を使わなくてはいけないのかそれが納得いきませんでした。

日本にいる時は言いたいことがあっても、言わないで済ませてしまう人でしたが、この時ばかりは「勉強している時は静かにしてくれないかと」彼に伝えました。
そのあとはいくぶんかましにはなりましたが、2回くらい言ったかと思います。

まさかこんなことが起こるとは予測がつかなかったので、「ルームメート同士で付き合い始めちゃうってことあるの?」とイタリア人の友人に聞いてみると「あんまないよ」と言っていました。

しばらくして、その状況になれたのでほとんど気にならなくはなりましたが。

 

その他にもストレスを感じることがいくつかありました。

ひとつはバスルームです。

自分はシャワーを使うのは夜ですが、朝使う方もいました。

朝起きてトイレに行きたいなと思ってもシャワールーム使われているから入れないということが多々ありました。
(この時ばかりはトイレとシャワールーム別にしてくれと何度強く願ったことか!)

別の日本人の方は女性が多く住んでいるところで、朝バスルームに化粧やシャワーで人がひっきりなしに入るので、全く朝は使えなかったと言っていました。

その他は料理の後に、使った鍋などを洗わずにそのまま放置しっぱなしになっていることです。

自分が晩御飯の準備をしようとキッチンに行くと、流しいっぱいに鍋やフライパン、皿が汚れたまま置かれていました。

そこで、一回洗ってから料理を始めるので気持ちが作る前から萎えました。

 

アパートに住んでみての個人的な感想

デメリット
・予測しえない思わぬトラブルが起こる(人数が多いほど)
・相手のライフスタイルに合わせなくてはいけない

メリット
様々な人と知り合える(学生だけでなく)
一緒に食卓を囲むことで生活が豊かになる(イタリア語を話す機会が増える)

何事にもいい面と悪い面があります。

それは仕方のないことです。

ただ自分の目的に合わせて、重視する項目としない項目をしっかりと明確にしておく必要があります。

ただあまり考えすぎて止めてしまうよりは、もしやってみたいという思いが少しでもあるのであればまずはしてみるというのをおすすめします。

思いがけない経験ができ、トラブル含め楽しいものです。

今回の記事が少しでも参考になってもらえればうれしいです!

それでは Ciao Ciao!