留学のためにヴェネツィアに来たのは、8月の終わりころ。
この時はヴェネツィアはまだ夏真っ盛り。
日差しも強くかなり暑かったです。
大学が始まるのは9月でしたが、ヴェネツィア大学で担当となってくださる先生がその年京都で一年間研究される予定になっていたので、早めに現地に入りました。
当然大学が始まるまで、寮にも入れないのでそれまではホステルで過ごしていました。
その宿のオーナーのおばちゃんはいい人で、
自分が、「これから一年間ヴェネツィアで勉強するんだ」と伝えると
じゃあ「英語じゃなくて、イタリア語で私たちは話さないとね。これから英語禁止ね」と言ってくれました。
ただ自分が少しでも英語をしゃべろうものなら「英語はだめでしょ!イタリア語で!」という感じでした。
ヴェネツィアの家にはあまり冷房がついていません。
この部屋も当然ついていませんでした。
夜寝るときは基本的に、窓を開けて寝ます。
その時に一番厄介なのは…
蚊
なんでと思われるかもしれませんが、ヴェネツィアへ夏に行ったことがある方はわかるかなと思います(笑)
ヴェネツィアは水の都。
町のいたるところに水路があります。
そのため、夏場は特に蚊が大量発生します。
ここで困ったことが起きます。
ヴェネツィアの家にはエアコンがついていないので、夏場は窓を開けたい。
でも開けると蚊が入ってくる…
寝るときはいつも蚊のことが気になります。
(これだけ聞くと何か恋人を思っている感じがしますが、そんな美しいものではありません)
寝るときはいないなと思っても、少し経つとやつがやってきます。
耳元で「プーン」と
寝ようにも寝られません。
初めてヴェネツィアに旅行で行った大学3年年生の夏。
そのことを知らずに窓を開けて過ごしていました。
一晩経って、目を覚ますと腕に何か所も刺されていました…
一晩でこんなに刺されるのかと思ったのと、こんな美しい街で蚊が大量にいるなんてとそのギャップに驚いたものです。
白鳥は優雅に泳いでいるように見えるが、水の中では足を必死に動かしているような感じでしょうか。
こう並べてみても結びつきませんよね (笑)
ヴェネツィアも街並みは美しいが、住むとなると大変なんだなと思いました。(アクア・アルタ然り)
で、やっぱりそのホステルでもまた蚊にやられるわけです。
ホステルのおばちゃんに伝えようと思って、イタリアに入ってきてから最初に調べた単語が
ZANZARA (ザンザーラ)
「蚊」のことです。
「蚊に何か所も刺された」と言いたくて辞書で調べて、おっかなびっくりおばちゃんに話した記憶があります。
なので、自分にとってヴェネツィアと蚊は切っても切れないものです(笑)
とても思い出深いものです。
留学中もザンザーラとの戦いは続き、アパートに住んでいた時も寝る前は
Facciamo splay! (スプレーしよう!)
と言って、殺虫剤を部屋にまいてから寝ていました。
しかし、やはりその中でも猛者が何匹かいて電気を消した後に部屋の中で
「ブーン」という音はしていました (笑)
その時はつらかったですが、今思うといい思い出です! Grazie zanzara!
ヴェネツィアと蚊は、訪れたことがない方だと全く結びつかないと思います。
ですが、体験してみるとその「恐ろしさ」がよくわかると思います(笑)
ぜひヴェネツィアに行く計画がある方は zanzara にご用心を。
それではみなさん Buon viaggio!