最近映画をよく見ています。
アマゾンプライムがあるからです。
気になっていた映画も最近追加され、しかも追加料金なしで見ることができるのでありがたい限りです。
月額か年額でどのくらい払っているかは忘れてしましましたが、1万円だったとしてもあらゆるジャンルの映画を見ることができることは破格です。
日本の映画・ドラマはもちろんアマゾンのオリジナルの番組もありかなり面白いです。
私はアーセナルファンですが、スパーズを特集したAll or nothing がよかったです(スパーズのファン獲得のための良い宣伝になっていると思います)
サッカー好きな方は是非見てみてください。
移籍期間中に選手間での移籍の話している様子などもあり、私たち同様選手もそういった噂話をするのかと新鮮でした。
私はアマゾンプライムの宣伝をしたいのではありません。
最近見た映画の中でも印象に残ったものを紹介したいと思っています。
一つ目は「インターンシップ」という映画です(2月15日現在 アマゾンプライムで無料視聴可能)
これはアメリカの映画です。
主人公の二人、ニックとビリーはある会社のセールスマンとして働いていました。
しかしながら、ある日会社が倒産してしまい職を失います。
新たな職を探していたところたまたま見つけたのが、グーグルのインターンシップの募集。
二人はダメもとで応募しますが見事にパス。
その他の優秀な大学生と正社員の座をかけ、グーグル本社でおじさん2人が奮闘します。
ストーリ自体も面白いですが、アメリカの大学生の現状(どこまで本当かわかりませんが)やグーグル本社の雰囲気など楽しめる箇所はたくさんあり、約2時間ノンストップで見ること必至です。
また見た後に、自分もがんばろうと思える映画です。
学歴重視と知識重視の学生と学歴はないが人生の経験があり、人との関係性を築く話術(いってみれば生きるうえで欠かせない生きた知識)を持っているおじさん2人。
つまり、優秀と劣等の対比です。
よく日本の映画やドラマにもありがちな構図ですが、ニックとビリーが周りを巻き込みながら徐々に存在感を増していきます。
そして、それだけでなくはじめは二人に対して疑いの目を持っていた周囲の人々も、二人に影響を受けながら徐々に成長する過程を見ることも面白いです。
親のいうことが絶対だと思っている学生や情報はインターネット上で見つけるだけで満足な学生などが、インターンシップを通しその既成概念を打ち破っていきます。
それを見ていると子供は生まれながら天才であるという言葉を思い出します。
確かに教育は素晴らしいですが、ある程度の段階まで行くと逆にそれが足かせになります。
それは様々な世間の常識や知識が身についてしまい、それが新たなことをするうえで邪魔になるからです。
自分の境遇にもその学生たちが少しばかり重なる(教科書的な知識重視と既成概念にとらわれている点)と同時に、ビリーとニックの人との関係性の構築をするためのコミュニケ―ションの重要性(雑談など)がつい最近わかってきたところであったのでとても響きました。
よかったらこちらも読んでみてください。
2つ目の映画はインド映画の きっとうまくいく です。
インド映画はスラムドッグミリオネア以来でしたが、唐突なタイミングでのダンスと歌が噂通りちょいちょい入ってきました。
これはインドの名門理系大学に通う3人組の話です。
インドの大学生の大学での生活、仕事、人生観について描いています。
インドの大学生の生活を通して、教育や学歴重視の価値観について面白おかしく話をすすめながら鋭く批判しています。
この話でも親や既存の教育制度による狭い考え方を主人公の大学生のひとりであるランチョーが壊していきます。
約三時間という長丁場ですが、途中でつまらなくなることもなくインド映画特有の踊りを楽しみながらあっという間に過ごすことができると思います。
コメディータッチですが、この映画を現代の日本の学歴などの肩書き重視の社会に移し替えてみることもできます。
この2つの映画、特に最初の「インターンシップ」では明快ですがこの手のエリートに(言い方が悪いですが)落ちこぼれが立ち向かうという構図は個人的に、今まで好きにはなりませんでした。
それは自分が映画の登場人物ほどではありませんが、高校大学とそこそこの知名度のあるところに行っており、映画の中で悪く描かれがちないわゆる学歴エリートの中に入っているからです。
そういう映画を見るといつも気分が悪くなりました。
彼らも努力をして、そこまで到達しているはずであるし、確かにわかりやすくするために仕方がないと思いつつもどうも納得がいかないところがありました。
悪者や主人公の引き立て役にされる敵対者側から丁寧にその心情を物語の中で描かれていないことも納得いきませんでした。
ただ今は以前よりもこの手の映画を見た時に受け入れることができるようになったのは、学校というその他の世界と断絶した特殊な環境から離れ、より実際に近い社会での経験が身についてきたからかもしれません。
いわゆるいい学校に所属している人たちはよく勉強します。
それ自体は悪いことではありません。
そこはしっかりと努力をしているので評価をするべきだと思います。
私の高校はそうだったのですが、「いい大学に行くこと=一番いいこと」という考え方しか学校の中に存在していませんでした。
通常高校3年間で勉強することを2年間で行い、3年生になるとあとはひたすら大学入試のための試験勉強になりました。
その時は何とも思わず、これが普通だと思っていましたが今考えるとおかしなことだったと思います。
そもそもなぜいい大学に入ることが至高なのかもわからないですし、もしいい大学に行けなければ負けであるといったような風潮すらありました。
先生が何かの機会に人生の経験や別に勉強だけがすべてではない、もっといろいろな生き方があると話していたことは記憶にありません。
学年の集会でも、この前の模試は県内のどこそこの高校に負けたとか、昨年は東大合格者が何人だったとかそんなのばかりでした。
自分の通っていた高校は、都道府県が運営する予備校みたいな感じでした。
はっきりと言って、高校生でなにか視野が広がったかと言われると全くそんなことはありません。
むしろ変な常識を身に着けてしまったように思います。
そして、今は高校大学で身についてしまった世間一般でよいとされていることを破壊していくことに苦労しています。
もちろん教育はなくてはならないものです。
ただ使い方を間違えると、その人の為を思ってやっていることも全くの逆効果になりその人を今後苦しめることになります。
自分の高校時代がそうです。
繰り返しになりますが、いい大学に行かせることが私の通っていた高校における至上命題でした。
だから私もそうだと思いいい大学に行くために勉強していました。
それしかないと思っていました。
確かに当時インターネットもありましたが、まだスマートフォンが普及し始めた時代でまだ使っている人もそれほど多くはありませんでした。
ただそれを差し引いても高校において、いい大学に行くという選択肢以外を示してくれなかったのだろうかいまさらながら不思議に思います。
自分の弟も昨年まで私と同じ高校に通っていましたが、様々な生き方がさらにできるようになった最近でさえ、私が通っていた時と教育方針は変わっていないようです。
弟はその状況を、「常に道は一本しかなく、それを大学に入る勉強をさせることでその道幅を広くしているだけ」と言っていました。
本当はたくさんの細い道を教えなければいけない、あるいは気づく環境を作るないといけないと思います。
教育は 教 と 育 の二つの言葉でできています。
どうも教の方ばかりが先行しているような気がします。
育の方、つまり育っていくための環境を作ってあげることが欠如しているのではないでしょうか。
今世の中で必要とされていることは様々ありますが、私のブログで書いているように生きる力であると思います。
つまり自分で考えて実行し、検証し再度計画しというようなサイクルをいかに早く回すことができるかです。
しかし、私や弟の通っていたいわゆる進学校では、どれだけテストで点が取れるようになる方法を大部分の学生生活を使って与えようとします。
頭を使わせることなく、他のことに目移りしないように馬に目隠しをして視野を狭め走り続けさせられます。
それが先生方にとっては学生にとって最良の道であると思っているのかもしれないですが、それ以外の選択肢を示さないことはどうも納得がいきません。
それは不誠実だと思います。
この二つの映画を見て、現在の教育の負の側面を見た気がします。
他の学校がどうかはわかりませんが、今高校生でかつての自分と同じような生活を送っている人は一度立ち止まって考えてみてほしいです。
なぜいい大学に行かないといけないのか、そもそもなぜ勉強しないといけないのかと。
何万もの言葉を並べるよりも、1つの物語の方が印象に残ることが往々にしてあります。
この2つの映画はそんな考えるきっかけを与えてくれる映画であると思います。
ぜひ若い方にこそみていただきたいです。
それでは今の高校生の幸福を祈りながら、Ciao Ciao.