少し前のことになりますが、通って一年くらいになる美容院で今流行りのあのマンガの話になりました。
その方は今でもジャンプを毎週購読しているようですべて読んだそうです。
ただ、その美容師の方にとってはあまり面白いと感じなかったようです。
自分自身もまだ読んだことがなかったので、「なーんだつまんないのか」と心の中で思っていたところ、その美容師の方はさらに続けて
「自分の感覚は大丈夫かな?」と心配していました。
「なんでそんなに心配するんですか?」と聞いたところ、
「髪型にもはやりすたりがあるから、自分が世間と感覚がずれていることは致命傷になりかねない」とおっしゃいました。
自分にとっては別に今人気のあるものがあまり刺さらなくてもそこまで、気にしたことはありませんでした。
むしろ、知らないくらいの方がどこか変わっていてかっこいいとすら思っていました。
ただその美容師の方が言ったことを思い返すと自分の仕事でも、流行に対して敏感にならなければいけないなと遅ればせながら思いました。
今の仕事でバックや服を取り扱っている以上、当然ですがこれにもはやりすたりがあります。
その時に人気になるものは当然ですが、その時代の雰囲気などが影響するので、服以外の別ジャンルのものであっても敏感になっておく必要があります。
ただ難しいのは、「他の人がいいと言っているから」とか「今人気だから別に好きでもないけど乗っておこう」とすると途端に「ミーハー」というレッテルを張られてしまうことです。
流行を知らないと、世間知らずで時代遅れな人に、逆にそれにのめりこみすぎていても「自分がない」とか「ミーハー」と言われてしまう。
その匙加減が何とも難しい。
美容師の方も今の自分の仕事も、というよりも(anzi)世の中のあらゆる仕事やことが次の2つの軸の間を大きく揺れ動いて、最適な位置を探っているのではないか。
流行とスタイル
流行が「その時代の雰囲気」、スタイルが「自分自身の思想」(らしさ)と言い換えることもできるかもしれません。
ファッションの世界でもハイブランドがトレンドを生み出していますが、その時代の空気感やそれまのサイクルを考えながらも、そのブランドに固有の思想に合わせてそのシーズンのスタイルを作っています。
だからでたらめに、奇抜な服を作ったとしてもそれは多くの人には響きません。
そこには流行の流れがあり、そこにそのブランド独自のスタイルをプラスする必要があります。
ただ単に他と違うことをしても空手でいう「型破り」にならず単なる「型なし」になります。
個性が大事だと言われて久しい世の中ですが、何でも奇抜なことをすればいい、時代の流れ関係なく己を貫く。
これもいいと思いますが、とっぴなことをするだけでは他の人は理解できないし、この世の中に生きている以上時代の雰囲気と全く関係なく生きることもできません。
私の場合、人気のものや世の中でもてはやされているものに関してはとんと疎いです。
以前はそれがかっこいいことと思いましたが、今思うとむしろ変にすかしたかっこ悪い奴でした。
やはりこの世の中で生きている以上、他の人と多くかかわるうえでそういった人たちの価値観を知っておく必要はあります。
ただそればかり意識してしまうと、自分がない人間になってしまいます。
だから、時代の空気を感じつつもそこに入りすぎず、自分のテイストを少し加える。
そういったバランスの良さが必要ではないかなと思います。
何をしてもその人のスタイルに昇華させる(自分に合わせさせる)あるいは無意識に表れてくるようなクールな人がいます。
そんな人に自分もなりたいものです。
Ciao Ciao.